B級映画の定義っていったいなんだろう?脚本執筆から撮影・編集まで1週間で仕上げるような作品をそう呼ぶなら、このエド・ウッドはまさしくB級の映画監督だ。しかし、映画の内容はともかく、莫大な広告費をかけて大衆を煽動し、評論家を抱き込み口コミまでも操作して興行収入を稼ごうとする映画を、はたしてA級と呼べるのかはかなりの疑問だ。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『チャーリーとチョコレート工場』で見せた変なオジサン役がすっかり板についてきたジョニー・デップ。女装趣味でその場しのぎのお気楽な映画監督を、何の違和感もなく演じているところはさすがで、肩の力の抜け具合がたまらない魅力の俳優さんである。
劇中、オーソン・ウエルズとエド・ウッドがバーでばったり出くわすシーンがある。出資者の口出しに閉口するエドに、オーソン・ウエルズが「夢を追い続けろ」と力強いアドバイスを送る。今までの重荷がふっきれたかのように、B級映画を取りまくるエド。もしかしたら、彼の作品はかまびすしく横槍を入れたがる出資者への復讐=アンチ・テーゼだったのかもしれない。
どこか東洋的なほのぼのさおすすめ度
★★★★☆
エド・ウッドはB級ホラー映画の監督として足跡を残している。「エド・ウッドのX博士の復讐(The Revenge of Dr. X)(1970年)」は日本でロケをした映画である。
この監督を、一味違うホラー映画を創造し続けるティム・バートンが取り上げたのには、それなりのおもしろい理由があろう。
エドを描いた伝記が発行され、それがおもしろかった、優れていた。ということであろう。
監督デビューのシナリオを三日で書き上げたこと、女装マニアだったこと、往年の、ドラキュラ役で第一級の老名優ベラ・ルゴシとの出会いと友情、これらがティム・バートン監督の琴線に触れたのだろう。
若きエドを、ティム監督の盟友ジョニー・デップが演じている。ジョニーはかわいらしく美形で、キビキビしている。そのエドが売れない劇団の仲間たち、妻の内助の功とともに、老優ベラ・ルゴシとの友情が観る者のこころを癒してくれる。
「癒しのホラー」という独自の世界を切り開いているティム・バートン監督と彼のイメージを体現するジョニー・ディップが、多分、実際とはかけ離れたエオ・ウッド像を創造したのだろうと思う。ハリウッドらしい映画なのに、とっても東洋的なほのぼのさが感じられて、「シザーハンズ」とともにわたしは好きである。
魅せられるエド・ウッドの情熱おすすめ度
★★★★☆
史上最低の映画監督と言われるエド・ウッドだが、それはある意味彼への愛情表現ではなかったのか?当時のB級SF映画は乱作されておりどれも似たり寄ったりでエドの作品だけが極めて駄作というわけではない。今、昔の映画を探して観ると、もっとチープな映画はたくさんあった。またマカロニウェスタン全盛期のイタリアでは毎月30本のペースで西部劇が製作されこれまた駄作の嵐。しかし、数限りないチープムービー監督の中で、今でも名前が残っている数少ない監督のひとりがエド・ウッドだ。それは彼の映画への純粋な情熱が多くの業界人へ共感を与えたからだろう。本作はエド・ウッドの半生をモノクロで描いている。特別なアクションや事件は起きないが、観ている内にエドの人間性に魅了されるのは面白い。奇抜な設定の映画が多いティム・バートン監督だが、こうした深いヒューマンドラマをもっと多く作って欲しい。ジョーニー・デップとティム・バートンのコンビの作品の中では一番好きな映画だ。繰り返して何度観ても味わい深い作品。この映画の影響でエド・ウッド作品は「プラン9・フロム・アウター・スペース」などがDVD化されているので本作と一緒に観ると楽しみが増すことだろう。最近は抱き合わせ販売のDVDBOX商法が盛んだが、こうした作品こそ豪華DVDボックスにして「プラン9」などの作品とセットにして販売して欲しいものだ。(ベラのフィギュアや当時のポスターが付録だと楽しい…)「スゥイニートッド」の上映記念に合わせて発売してくれないかしら…。
マニア向けおすすめ度
★★★★★
映画の内容などは他の方が書かれているので割愛します。
パイレーツ・オブ・カリビアンなどと同じ様な感覚で観るとつまらないでしょうね。単館映画好きの方向きです。
残念なのは映画館で観た時には、唯一一箇所ピンク色がついていたのに、DVDでは全編モノクロになってしまっていたことです。
買うしかない!
おすすめ度 ★★★★★
まさに夢のコラボです
。とにかくこれは絶対買いだ!
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!
概要
映画監督志望の青年エド・ウッドは、性転換手術をテーマにした映画に取り組もうとするが、出資してくれるプロデューサーがいない。彼は往年のドラキュラ俳優ベラ・ルゴシを口説き、彼を出演させることを条件に、資金を集めようとする。
ジョニー・デップが女装姿まで見せて、主人公を大熱演。またエドの仲間たちなど、全編に主人公のユニークな人間関係と生き様が息づいていて、エドの大ファンというティム・バートン監督が、愛情たっぷりに描いているのがよくわかる。史上最低の映画監督と言われていたとはいえ、エドのチャーミングなキャラクターがじつに微笑ましいのだ。ドラキュラ俳優ベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーは、本作でアカデミー助演男優賞を受賞。(斎藤 香)