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活きる 特別版

チャン・イーモウ
おすすめ度:★★★★★
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中立なる巨匠の目
おすすめ度 ★★★★☆

チェン・カイコーの『さらば、わが愛/覇王別姫』と見比べると、共産主義の嵐が吹き荒れた中国近代史にさらに興味が沸いてくる作品だ。1940年代〜60年代にいたる中国激動の時代を背景に、賭事で財産をすべて失った元資産家の福貴一家の年代記を描いている。『覇王別姫』では、共産思想の台頭によって引き裂かれる京劇役者の悲劇が鮮明に謳われていたが、本作品においては、チャン・イーモウが共産主義に対して比較的中立的な立場をとっている点に注目したい。

映画前半では、福貴(グォ・ヨウ)の財産を半ば騙まして根こそぎ奪い去った龍二が共産党員によって(因果応報的に)処刑されたり、共同食堂で労働者たちに平等に食事がふるまわれたりするプラス面が映し出される。家柄や格式にこだわっていた一昔前の中国では考えられない、口の聞けない鳳霞と足の悪いニ喜という障害者同士の結婚も、共産体制だからこそ実現したのかもしれないと思わせる演出をしている。しかし映画後半にかけて、その行き過ぎた平等主義よって今度は福貴と家珍(コン・リー)の間に生まれた大切な2人の子供の命が奪れてしまう。

このように、福貴一家に降って沸いた事件の内側から、共産主義のプラス面とマイナス面を巧妙に浮かび上がらせた演出が断然光っている1本である。本国では上映禁止の憂き目にあった本作品ではあるが、単純な共産主義批判の作品からは一線を画した深いテーマ性を秘めている。「お前たちはいい時代に生まれた。これからこの国はどんどん良くなっていく」福貴が子供や孫に繰り返し言い聞かせたこの言葉は、チャン・イーモウの皮肉であったのかそれとも強い願望であったのか。中国の行く末を見守る巨匠の目は、『長江哀歌』を撮ったジャ・ジャンクーと同様、あくまでも中立的である。



名作。でも心が痛みました…
おすすめ度 ★★★☆☆

本作は、1940年代後半から文化大革命に至る中華人民共和国において、
何とか生きてのびていく家族の姿を切り取ったものです。
いわば中国版「フォレスト・ガンプ」といったところでしょう。

本作が興味深いのは、英雄ではない、我々と等身大の夫婦の人生に着目している点です。
例えば英雄ならば、為政者の悪政に対抗し、弾圧にも屈せずに信念を貫くのでしょうが、
我々の大多数は、長いものに巻かれ、目先の平穏を確保するために汲々とすることでしょう。
主人公夫婦は、基本的に非「英雄」的に行動し、何とか混乱の中を生き延びていきます。

しかしそんな夫婦、特に家族の平穏を望む家珍(コン・リー)を打ちのめす過酷な運命には、
見ているこちらまで胸をえぐられます。お母様は覚悟してご覧下さい。

一見、平凡な家族の歩みを描く本作は、しかし、
粗悪な鉄を生産させる大躍進政策や、図に乗った紅衛兵が闊歩する文化大革命という、
中国共産党政権の負の側面に、疑問を投げかけています。
まさに、その愚策が主人公夫婦を直撃するという形で…。

最後に。本作はまぎれもなく素晴らしい作品です。
しかし、映画を見る間くらい人生の苦味を忘れたいという方には、お薦めしません。
思うに、まさにそれこそが本作のテーマなのですから…。






チャン・イーモウ映画を初めてみた作品
おすすめ度 ★★★★★

なにげに見た本作。あの文化大革命の矛盾や改革の痛みのなかで力強く生きる庶民たちを描いた映画。役者たちの力まない自然な演技が説得力ありました。この映画でチャン・イーモウを知りました。「あの子を探して」「至福のとき」「初恋のきた道」etc.いい監督に出会うことができました。この頃の作品はいいけど、最近のスペクタル映画はちょっと・・・。



さすが名監督・・・・・
おすすめ度 ★★★★★

激動の時代を運のよさで生き抜いたダメ男と耐えた女の物語。

主演の男の演技、子供達の表情・・・・・そして俺の中では世界一の女優【コン・リー】の名演。

当時の中国庶民の汚らしい生活ぶりがリアルで・・・・突き刺さるように見せ付けられる。

ハリウッドの赤狩りのような事も起こるのだが、ダメ男だった事が幸いして助かる場面には

なんとも言えない気分に。

子供たちが絡んでくる場面は・・・・せつなくて見てられないようなトコも。

平和に生きる我々には考えられないような事を体験し、向かえたラストシーン・・・・・

俺だったら絶対に笑えない場面。そこで活き抜いた夫婦が笑う。しょうもない事で笑う。

ここで笑えるようになったと言う事が幸せが来たと言う事なのだろうか。

何か・・・・イタリアの名作【ライフ・イズ・ビューティフル】に近いモノがある。


【LOVERS】、【HERO】・・・・・悪くないけど、監督の最高作はコレ。

滅多に観れる類の作品ではない。

デ・ニーロ、パチーノ、ニコルソン、W・ベイティが中心の映画ファンである俺でも

★5個じゃ〜足りない!と思う。



病院での出産シーンに狂った政治の怖さが凝集される
おすすめ度 ★★★★★

長い長い時代の流れを背景に描いた作品ですが、この映画の白眉はやはり、文革時代。主人公の娘が病院で出産するごく短いエピソードですが、紅衛兵によってベテランの産婦人科医が全て追放されており、難しい出産に立ち会った赤いリボンを付けた子供のような医者たちは右往左往するばかり。白いタイルとコントラストを描く鮮血の赤が、狂気の時代の恐怖感を否応なく伝えます。原作を読んだことがある人によれば、映画全体のストーリーはまるでダイジェスト版のようで長編小説の魅力を伝えていないそうですが、個人的にこの映画が素晴しいと思ったのは、そうした個々の時代の重い空気を、いかにもチャン・イーモウらしく、絵から感覚として伝えることに成功していると感じられた点です。それにしてもこの時代の当時は、日本でも、前衛を気取る文化人(映画評論家もいました)が紅衛兵や毛沢東を賛美していたわけですが、そういう人たちの反省はいったい、どうなっているんでしょうか。



出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★

大変良く出来ています 。出来は今更ながら言うまでもなく素晴らしい。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。



概要
1940年代の中国。裕福な暮らしに甘えて賭博に興じる夫、福貴(グオ・ヨウ)を見限った妻、家珍(コン・リー)。やがて全財産を失った福貴は、影絵講談芸で身を立てながら戦火の中を生き抜き、やがて家珍や子供たちと再会し、新たな生活を始めるが…。
1940年代から60年代にかけての中国・毛沢東時代を必死に生き抜こうとする家族の姿を描いた巨匠チャン・イーモウ監督の大河ドラマ。ユイ・ホアによる原作は、中国で20万部を乞えたベストセラー小説。94年度のカンヌ国際映画祭では審査員特別賞と主演男優賞を受賞している。庶民が生きていく上で抱く愛情や憎悪、そして喜びや哀しみといった要素が過不足なく描かれ、その中から、人はいかに生きていくべきかというメッセージがそこはかとなく訴えられていく。映像美もさながら、人間の自然な感情にこそ重点を置いた、イーモウ監督のターニング・ポイントともいえる作品だろう。(的田也寸志)

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スペースコブラ 活きる 永井荷風