いま尚伸びている作品おすすめ度
★★★★★
序幕:
前巻でカルッセル編が完結し、新章へ。
物語の舞台は帝国がこれまであえて手をつけてこなかった国内の暗部たる無法のスラム街。
オーランドのホームでもあるその“0番地区”に抗争の気配があると知った彼は3課に無断で帰郷。
それを追ってアリスも地区に足を踏み入れるのだが…。
さて、陰鬱さと凄惨さを兼ね備えた“暗”の前エピソードから一転、今回は活力と明るさに満ちた“明”のエピソードです。
見たことのない人物ばかりがずらりとなった表紙からも明らかなように、新キャラクターが多数登場。
中でも時流のツンデレ街道をど真ん中で行くウルスラが一際目立つ。
と、ベタベタなキャラ付けにも関わらず魅力的なキャラクターたるウルスラ他、愉快な人物が大勢物語に加わってきます。
ハァハァ、ウルスラ可愛いよウルスラ。
次に、これまでローデリアなど一部の国の存在を除き、帝国と共和国の二大国家が東西を両分しているかに見えた構図に新事実判明。
実は西側は強大な東側国家に対抗するため、複数国家からなる西方諸国連盟─ネビュロ─体制によって成り立っていた。
そこへ連盟内でも上位の国家である帝国の地位もいまや磐石ではないとする見解がとある有力者から打ち出される。
物語は異変と波乱を含んだ新局面へ。
そして、これまで確固たる自信を抱けず手探りで復興を続けてきて悩みを深くしてきたアリスですが、
戦災復興の先に目指すものと復興に望む姿勢に変化と光明を見出します。
そういったわけで、これまで局地的な戦災を個々に解決してきた3課にとって、単独では如何ともし難い国家規模の大局が到来。
アリスはひとつの自信を掴み取る。
加えて、軍人でもなく虐げられ戦災に苦しむ弱者でもない新キャラ達の登場も手伝ってとても新鮮な感じ。
今までにないパンプキンシザースの趣きが見られます。
また、連載8年目、10巻の大台に突入した今をもってなお変化…もとい、進化した観のある画も良い。
新しい人物達はもちろんのこと、時折アリスが見せる力強い笑みがかつてない程素敵。
先の方もおっしゃられているように、9巻とは好対照な表紙も目を引きます。
少尉らを取り巻く状況は予断を許さない難事態と化していますが、活発で前向きな人材が揃った事でポジティブに先が楽しみ。
この先は頼られてアリスが誰かを助けるのではなく、アリスを頼らずとも自ら戦おうとする者とアリスが共闘する様が見られそうでもあります。
これはもう出来る限り早く11巻の発売となって欲しいところ。
新シリーズ『0番地区編』のスタート!おすすめ度
★★★★★
『パンプキン・シザーズ』の第10巻。
前巻まで独裁政治の哀れな最期と絡めてフランシア伍長の本当の真意に気づいたヴィッター少尉をドラマチックに描いた「カルッセル編」が完結した。そして今巻から、新章の幕開けです。
今回はオーランド伍長が故郷に帰る話。
彼の故郷がなんとあの荒廃した「0番地区」。そこでは共に育った家族が今もそこで苦労しながらも元気に生活していた。ここではつらさを感じさせない少年少女たち自分の事は自分でやるという精神と、生き生きした(というか楽しそうな)様子が印象的でした。そしてアリス少尉も現地に到着していた。
しかしその頃、西方諸国連盟の会議が近づき何としても自国の体裁を保つため、汚点である「0番地区」の掃討に乗り出すのであった。どうするオーランド!?
前回がオーランドの転換期だったらしく「少尉が無理しないように俺が先に助ける」
という前向きな誓いをした矢先、アリス少尉は「何がどうなれば戦災復興が完了なのか?」という問いにブチ当たったってしまう。これは本作のテーマでもあると思いますが、その答えを考えつつ伍長と少尉は0番地区の抗争をどう防ぐのかがとても気になります。もちろんそこに暮らす魅力的な「家族」がどう動くのかも楽しみです。
それと新章開幕ということで表紙もリニューアル!
ポップな色使いとすっきりとしてデザインがとてもカッコイイので気に入ってます。
で、表紙のかれらは何者か?それは読めばわかります!
納得の出来
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
。とにかくこれは絶対買いだ!
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!