盟友が描いた赤塚不二夫評伝/漫画への情熱と破天荒な日々おすすめ度
★★★★★
■赤塚不二夫と五十年の交流を持つ親友が漫画で描いた赤塚の評伝■長谷氏は、トキワ荘メンバーの一人である。十代の頃『漫画少年』(学童社)を愛読し、石ノ森章太郎や赤塚と共に東日本漫画研究会結成に参画。長谷氏は、赤塚と深く交流し、長期にわたり片腕としてサポートし続けた。『COM』などでのパロディ漫画は今も熱狂的なファンを持つ。伝説の雑誌『まんがNo.1』の実質編集長も務めた。漫画家で一番早くSF同人誌『宇宙塵』に参加し、現代詩も書き、筒井康隆、タモリ、山下洋輔、三上寛などの諸氏と多彩な交流を持つ。現在は大学などで漫画学の講師として活躍中だ■本書には、親友のみが語りうるエピソードが満載されている。貧乏で大変な苦労をしていた少年時代。漫画家生活をスタートさせたトキワ荘時代。この頃の赤塚は、大変純情でシャイだったようだ。そして「おそ松くん」での大ブレイク。やがてフジオ・プロをつくり、超売れっ子になる。奇行が目立ち始めるのはその頃からだ。仕事場で銀ダマ鉄砲遊びに興じ、浮浪者の格好で現れたりする。面白いことはすぐ思いつくが、実務は一切やらない。長谷氏はそんな赤塚をサポートし続ける■成功を収めた赤塚は、夜な夜な酒場でバカ騒ぎに興じる。仕事に支障をきたし、古い仲間は少しずつ去ってゆく。そしてアルコール依存症になり幻覚症状をきたし入院。長谷氏は、危機感を持ちつつ、フォローに尽力する。結局赤塚は断酒できず、漫画の仕事は失われ、一九九二年、長谷氏は寂しくフジオ・プロを去るのである■赤塚は二〇〇二年、脳内出血を起こし、今も昏睡状態が続き入院中だ■私は本書から、漫画に賭けた青春の熱しぶきと、命がけのギャグ創作の痛ましさと、ほとばしるカオスを感じた。本書と対を成す同じ著者の実名小説『漫画に愛を叫んだ男たち』(清流出版、二〇〇四)もぜひ読まれたし!
マンガで書く赤塚不二夫物語おすすめ度
★★★★☆
普通は数年で書けなくなるというギャグマンガをずっと描き続けた稀代の天才漫画家赤塚不二夫の栄枯盛衰を、トキワ荘時代からの友人であり、フジオ・プロのアイデアブレーンとして赤塚と長く関わった著者が若き日の郷愁と友情、栄光の日々と転落を優しさを込めて書き綴った。マンガなので読みやすいが、やや美化されてる感もあって星4つ。励ましの応援歌なのだから、仕方ないのかもしれないが。赤塚の回りの人間がよく描かれていて、その人間関係が面白い。
凄いの一言
おすすめ度 ★★★★★
非常に素晴らしい一品だと思います
。他の方がコメントされているとおり、
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。