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漫画に愛を叫んだ男たち

長谷 邦夫
おすすめ度:★★★★★
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漫画への愛情が伝わる一冊
おすすめ度 ★★★★★

著者の文章には「ゲスト・オブ・オーナー」「スイスのスキポール空港」など妙な間違いが多いが(こういうのを直すのが編集者の役割なのに、清流出版の編集者は何をやっていたのか?)、そんなこととは関係なしに面白い。漫画に対する著者や登場人物の愛情が伝わる一冊。



赤塚不二夫に愛を叫んだ男の物語
おすすめ度 ★★★★☆

 この本では、高校時代の著者と赤塚不二夫との初めての出会いから、共に漫画家をめざした修行時代、人気爆発した赤塚のブレーンとしての多忙な年月を経て、2人の別れまでが描かれる。遠景に手塚治虫を、その手前にトキワ荘に集った若者たちを主とする漫画家たちを配して展開する、著者と赤塚と漫画との錯綜した愛の物語は、読ませる。
 タイトル通り、主要登場人物はほとんど男で、漫画家というのは男女とも、それぞれホモ・ソーシャルな世界を作り上げてるんだなァ、と思った。ただ、それでは水野英子の立場はどうなるのかと、少々気にかかったが。
 名声を得て交友関係を広げ、酒量も増え、タレント的な活動の比率を膨れ上がらせていく赤塚。昔からのスタッフが次々と去っていく中で、著者は赤塚の傍らに留まり続ける。しかし「手塚治虫の死、そして赤塚との訣別」と題された終章、その最後の最後で、別れは唐突にやってくる。漫画を愛し、漫画の堕落を呪詛しながら酒びたりの日々を送った恩人・寺田ヒロオの死。その死に触れながら、自分の酒への依存を力なく語り、ヨロヨロと製氷機に歩み寄ってまたチューハイを作りにかかる赤塚を目にして、著者はそのままスタジオから立ち去るのだ。この唐突であっけない別れは、痛切。
 ところどころ、著者の言葉遣いの誤りは気になった。「同士」を一貫して「同志」と記したり、「そんな藤本の杞憂は見事に当たってしまったのである」(p152)のような雑な日本語は、著者の文章に微妙な底上げ感・水増し感を漂わせている。そこがもう一つ、この本を額面どおりに受け取れない理由でもある。
 最後に、個人的には「この昭和四十六年は、藤子不二雄の『毛沢東』連載で始まった年だったが」(p195)という一節が強く印象に残った。インパクトあったんだろうな、少なくとも業界では。この藤子作品は「劇画 毛沢東伝」として現在復刊されている。



待望のドキュメント小説! ぜひ、読もう。
おすすめ度 ★★★★★

■私は長谷邦夫さんに大きな恩義がある。2001年3月に職場(徳島/北島町立図書館・創世ホール)で氏の講演会を開いた際、それはもう大変なお世話になったのだ(演題「漫画風雲録~トキワ荘物語」)。講演は、自らの青春と漫画界への愛情にあふれた内容で、聴衆に深い感銘を与えた。今も、長谷さんとは連絡を取り合っていて、気に留めていただいている■本書は、講演会の内容をさらに深めたような展開であり、私は夢中で読んだ。面白くてたまらないのだ。十代の頃、肉筆回覧誌『墨汁一滴』に集った石森章太郎、赤塚不二夫、横山孝雄らと著者が東京で会い、熱く夢を語り合う。それからトキワ荘の手塚治虫をたずね激励を受け、全員がプロの道を歩み始めることになる■その後の登場人物は、藤子不二雄(藤本弘+安孫子素雄)、寺田ヒロオ、つのだじろう、永島慎二、石川球太、つげ義春、水野英子、柴野拓美、福島正実、星新一、光瀬龍、筒井康隆、眉村卓、大伴昌司、徳南晴一郎、丸山昭、ちばてつや、山下洋輔、横尾忠則、三上寛、井上陽水、タモリ……。もう大変な顔ぶれであり、もう1つの戦後文化史というべきものがここに息づいているのだ■長谷氏は、フジオ・プロで、長い間赤塚さんのアイデア・ブレーンあるいは影武者的な立場でずっと支えてこられた。そして氏は、漫画のほかに、現代詩を書き、SF同人誌『宇宙塵』にも漫画家として最も早く参加するなど、その活動は極めて多彩■本書は、漫画創作への凄絶な格闘でアルコール依存症になって行く親友・赤塚不二夫氏のことが描かれ、長谷さんがフジオ・プロを飛び出してしまうラストで幕を閉じる■長谷さんは、泣きながらワープロのキーを叩いていたのではないか。とにかく重たいドキュメント小説だ。ぜひ、読もう。



読んで損はしない良書だが、読後は非常に複雑
おすすめ度 ★★★★★

非常に興味深く面白いのだが、悲しいというのが、率直な感想。
30歳代以上で、漫画が好きな人たちにとっては、子どもの頃にマンガを夢中になって読んでいた自分を思い返しながら、読めるだろう。

漫画に映画的手法を取り入れて、漫画の大きな可能性を示した手塚治虫。児童漫画を書き続け、すべての世代に愛されるキャラクターを作り上げた藤子不二雄。SF、ギャグ、ナンセンスを漫画に取り入れて新しいジャンルを開拓、確立した赤塚不二夫。漫画家を希望しながらも、天才を支え続ける裏方に自分の存在意義を見出した著者が青年期から手塚治虫死去までの日々を振り返る。
漫画という未開のジャンルを開拓する喜び、漫画を書く才能で悩む若者たち、そして、若いだけに起こる別離と出会い…。下手な小説よりも面白い。
印象的だったのは、赤塚不二夫が漫画家だった友人の妻に「うちの人の生活、どうしたらやめてくれるんでしょう。赤塚さん助けてください」と請われた時に、彼が「でも、俺に助けてくれと言われても、おれ自身が依存症だものなあ…」というくだりは、とてもやるせなかった。次々に友人と今生の別れが襲い、赤塚自身も漫画に対しての情熱を失い、アルコールに溺れてい続けていく。そして、思いがけない形で著者と赤塚の関係は終わりを告げてしまう…。

現代のマンガ界に対して意見を書くわけでもなく、黎明期の漫画を取り巻く状況を当事者の目で淡々と描かれている。そして、漫画界への希望や要望がないまま本書が終わってしまうのは、彼が愛した漫画はもはやなくなっているのかもしれない。


泣けた!
おすすめ度 ★★★★★

冒頭から一気に読んでしまいました。自分自身が、まさしくこの本に登場する漫画家たちの作品とリアルタイムに育ってきた年代であり、自分の少年時代がよみがえってくるようでした。
「まんが道」も連載中から読んでおり、当時トキワ荘時代の漫画家たちがテレビでとりあげられ、よく特番が放映されていたことも思い出しました。

つのだじろうさんも似たようなマンガを少し連載してましたね。
 神様とよばれ、天才の名をほしいままにした数々の漫画家たち。しかし彼らは死の直前まで締め切りに追われペンを取り続けた、その過酷な末路にマンガというもののすごさを感じてしまいました。



凄いの一言
おすすめ度 ★★★★★

全般的に言うと初心者向けだと思います 。これは買わねばならないでしょう!
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!



長谷邦夫 動画

長谷邦夫



かずといずみ 長谷邦夫 かねさだ雪緒