老いて益々盛んとはこれいかにおすすめ度
★★★★☆
永井荷風の小説と日記を巧妙に時系列順に配置して映画化した逸品、
世紀末以降、定着したともいえる多くの荷風ファンは必見の作品です、
もう二度と映画化できない題材かもしれないともおもい以下幾つか残念だった点をあげる、
まず、撮影と照明が不安定、特に屋内シーンでの照明の明るさがとても気になる、せっかく墨田ユキという脱ぎっぷりの良い美人を主役に添えながらせっかくの彼女の美貌も綺麗な姿態も明るすぎる照明が情緒を消しているシーンが多い、大正・昭和のはだか電球一つの営みの隠微さをもっと意識してほしかった、
主演が津川雅彦であることに誰も異論はないと思うが、津川は得がたい俳優ではあるが、あまりナレーションが上手ではない、よって特にクライマックスである東京大空襲シーンにおける例えようもない切なさが表現されていないと感じた、本作と同時期に新藤監督はNHKで佐藤慶主演で「断腸亭」日記のドキュメント・ドラマ(45分2回)を製作・放映しており、当作での佐藤慶のナレーションの素晴らしさを知っているものには津川の語りは物足りないこと甚だしい、できるならば語りだけを佐藤慶にした再編集版を期待したい、
ロケーション多様のわりには引きの映像が少なく(昔風の景色の部分のみをカメラで切取る映像が多いため)作品全体に窮屈感がある、現在のようにCG処理可能であれば解消できたともおもうが、
実際に古着をつかったと思える和服は実に良し、しかし背広はダメだ、最近の「スパイ・ゾルゲ」もそうだったが現在の生地・仕立て技術では昔風の背広を作るのは逆に難しいことが良く分かる、現在が良くなりすぎているのだ、ただしスパイ・ゾルゲのような安っぽさはまったく感じない、
できれば阿部寛がもう少々くたびれた頃、ぜひ再映画化を期待したい(阿部寛は顔も姿も現役俳優中で最も荷風に似ているとおもう)、
底辺にいながら明るく綺麗な女性おすすめ度
★★★★☆
永井荷風が、一生結婚しないと宣言しながら、女性達と楽しく生活をしてる。
そんな時に、純情なお雪と出会い、2人は惹かれあう。
紆余曲折をえて、結婚する2人だが、、、、
お雪(墨田ユキ)の演技が素晴らしいです。
艶のある女性ではないのですが、明るく、純情な役で、
底辺で生きている女性にあるような影がなく、
明るく人間として綺麗です。
私はHな映画なのかな?と思って、そんな気持ちで見ていたのですが、
途中で感動して泣いてしまいました。
苦労してきた人、他人の優しさに触れる事が少ない人は、
きっと感動する映画です。
なんだか悲しいけど・・・おすすめ度
★★★★★
うまく言えない切なさや哀しさのある素敵な作品でした。
元の永井荷風の作品自体が素晴らしいだけに、映画化も難しかったとは思いますが
津川さんが凄まじく演じきっています!
遊女ものはちゃんとした廓ものが多いですが、岡場所系の空気と
大正昭和の切なくどこかロマンティックな空気を感じたい方にはお薦めです。
なんだか悲しいおすすめ度
★★★★★
うまく言えない切なさや哀しさのある素敵な作品でした。
元の永井荷風の作品自体が素晴らしいだけに、映画化も難しかったとは思いますが
津川さんが凄まじく演じきっています!
遊女ものはちゃんとした廓ものが多いですが、岡場所系の空気と
大正昭和の切なくどこかロマンティックな空気を感じたい方にはお薦めです。
出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★
届いてからずっと気に入っています
。値段の割には上出来。
買って良かったと思います。
概要
新藤兼人監督が、永井荷風の同名小説に同じ荷風の「断腸亭日乗」を盛り込む形で映画化した作品。洋行帰りの小説家・荷風(津川雅彦)が玉ノ井の遊女・お雪(墨田ユキ)に恋をし、結婚の約束をするが…。
終始静かなタッチで語られる、年齢も境遇も違う男女の恋。墨田ユキ扮するチャーミングな遊女もさることながら、一代の放蕩児という役柄をギラギラせず、すべてを受け流すような自然体で演じた津川雅彦の荷風が爽快な後味を残す。単に男女のロマンスを描いた作品ではなく、戦争へと突入して行く当時の日本の世相や風俗を、ニュース・フィルムを交えて表現しており、そうした描写まで淡々としているのが本作の個性。なお東京大空襲で焼失した東京の描写にマットペインティングが用いられているあたりは、老いてますます盛んな巨匠の表現への意欲を感じさせる。(斉藤守彦)