青年期の全力疾走おすすめ度
★★★★☆
「剣は、抜かぬが最善、抜いても仕掛けぬが次善、このほかに善はなし」――長沼正兵衛が筧新吾を諭すこの言葉が、何故か心に残っている。
NHK時代劇「夏雲あがれ」に惹かれて、前作「藩校早春賦」とあわせて手に取ったのだが、青春活劇の中に、いぶし銀の輝きを感じたのがこの言葉だったのか。
周りが変化していく状況で、自分一人が大人になれないと悩んでいた新吾だから、この場面の後も、真っ直ぐな性格のまま、悩みながらも刀を振る。
剣を抜かずに最善の道を歩むには、とてつもない人間としての器と力が必要なのだ。
その力をつけ、器を広げるために、新吾たちは青年期を全力疾走で駆け続けている。そんな感じがする。
志保の「関屋の帯」のエピソードも、女心が彩りを添えて、いっそ爽やかだ。
痛快!爽快! これは楽しめる、「きらめく青春」時代小説の傑作だおすすめ度
★★★★☆
江戸時代の武士社会を描く時代小説も最近はそこにある非人間性への告発やそこでうまれる悲劇を描くいわば「残酷系」が多いが、これは敬愛する主君をいただく三人の青年武士がお家騒動の陰謀を阻止するために大活躍する「痛快系」である。お家大事の精神が無邪気に謳われる。従ってそこで描かれる青春は昔懐かしい「きらめく青春」なのである。
表紙挿絵もなにやらのんびりしたNHKドラマのようでさえある。ところが読み出したら止まらなくなった。ストーリーの展開がリズミカルなのだ。敵・暗殺隊との死闘が繰り返される。その合間に三人の笑いと涙と友情エピソードが読者の心をなごませ、次にさらなる強敵が現れ、趣向をこらしたつばぜり合い。この緩急の繰り返し、振幅の幅がしだいに増していく。
むしろこの「痛快」「爽快」「青春」というアナクロのところがストレートな魅力なのかもしれない。
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
はっきりいって、すさまじい出来です
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。